棚卸資産の評価基準

10.11

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theory64

棚卸資産会計においては、IFRS、US、並びに、JPにおいては、根本的な相違は見られないものの、細かな点にこだわると、主として、上記の5点において、注意すべき差異があると思われます。以下、順を追って、詳述していきたいと思います。
1.評価基準
2.評価方法
3.固定製造間接費の配賦
4.棚卸資産原価から除外されるコスト
5.減損の取扱い

まず、棚卸資産の評価基準ですが、IFRS-SME とUS-SMEは、共に、棚卸資産の評価基準を低価法に規定しています。どちらも、取得原価と時価のどちらか低い価額で評価することとしています(IFRS-SME 13.4、US-SME 12.04)。 これに対し、JP-SMEにおいては、原価法を原則とし、例外として、時価が帳簿価額より下落し、かつ、金額的重要性がある場合には、時価をもって貸借対照表価額とするとしています(JP-SME 27)。 下記の通り、差異が生じています。

IFRS-SME: 低価法
US-SME:  低価法
JP-SME:  原価法、場合によって低価法
(いわゆる正式な日本基準においては、低価法が原則適用されています。)

従いまして、SMOOSI(スムージー:Slow Moving, Obsolete and Out-of-Standard Items)と言われる在庫がある場合は勿論、当初予定した売価を維持できない様な状況になっている場合には、注意が必要です。

また、時価をどう捉えるかは、言い方は異なるものの、3者とも同じ考えになっています。
IFRS-SME:完成及び販売までの費用控除後の見積販売価格(13.4)
US-SME:  正味実現可能価額(完成及び販売までの費用控除後の見積販売価格)(12.04)
JP-SME:  正味売却価額(売却市場における時価から見積追加製造原価及び見積販売直接経費を控除した金額)(27(2))

なお、本則のUS-GAAPにおいては、棚卸資産の時価は、再調達原価(Replacement Cost)となっています。そして更に、この再調達原価は、正味実現可能価額を超えていても、正味実現可能価額から正常利益を控除した額を下回っていてもダメで、正味実現可能価額が再調達原価より低い場合には、適用する時価は、再調達原価ではなく、正味実現可能価額になります。

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