過年度の誤謬の訂正 (IFRS-SME 10.19 – 10.23)

04.15

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10.19 過年度の誤謬とは、下記に該当する信頼性の高い情報の不使用又は誤用により生じた、過去の1つ又は複数の期間に係る企業の財務諸表における脱漏又は誤表示をいう。

(a)  当該期間の財務諸表が発行に向けて承認された時に入手可能となっており、 かつ
(b)  当該財務諸表を作成し表示する時に入手でき検討できたと合理的に予想できた。

10.20 これらの誤謬には、計算上の誤り、会計方針適用の誤り、事実の見落としや解釈の誤り及び不正行為の影響も含まれる。

<参考例>

1.財務諸表公表後、減価償却費の計算間違いがある事が分かった。影響額は10円。
⇒ これは、過年度の誤謬に該当しますが、10円という金額は恐らく重要性がないと考えられるため、もしそうであれば、当年度に修正することで問題ないと思います。

2.財務諸表公表後、減価償却費の計算間違いがある事が分かった。影響額は100,000円。
⇒ これは、過年度の誤謬に該当しますが、100,000円という金額に重要性が認められれば、過年度の遡及修正することになります。

3.会社は、当期に売り上げた製品について、所定の方法で製品保証引当金を計上しているが、当期の財務諸表公表後、翌期において、隠れた欠陥が発覚し、更に100,000円の保証金を支払いました。
⇒ この事実は、当期においては把握できず、翌期になって発覚したものですので、過年度の誤謬ではなく、見積りの変更として処理されます。

4.固定資産取得時当初においては、当該資産の耐用年数を10年と予測して、減価償却してきたが、4年後になって、再度予測したところ、そこから更に10年間は使えることが分かった。最終的には、14年間使う事になるが、当初の10年という耐用年数の見積もり自体には合理性があったと考えられる。
⇒ これは、過年度の誤謬ではなく、見積りの変更として処理されます。

10.21 実務上可能な範囲で、企業は、当該事象が発見された後、発行が承認される最初の財務諸表において、次のいずれかの方法で、遡及して過年度の重要な誤謬を訂正しなければならない。

(a) 誤謬が発生した表示対象となる過年度についての比較可能金額を修正再表示する。
(b) 誤謬が表示対象となる最も古い期間以前に発生している場合には、当該表示対象となる最も古い期間の資産、負債及び資本の期首残高を修正再表示 する。

10.22 表示する1期又は複数の過年度に係る比較情報に誤謬が与えた各期間固有の影響額を算定することが実務上不可能な場合には、企業は、遡及的修正再表示が実務上可能な最も古い期間(これが当期である場合もある)の資産、負債及び資本の期首残高を修正再表示しなければならない。

<参考例>

20×7年度において、原価計算システムのロジック・エラーが発覚した。これによる累積的な影響は100,000円で、売上原価の過少計上となっていた。なお、会社は、3期間の財務諸表を開示している(20×5年、20×6年、そして、20×7年の3期を開示)。

ケース1:更なる調査の結果、100,000円の影響は、20×3年から20×6年までの4年間において、各25,000円の修正が必要であることが分かった。
⇒ 20×5年の期首剰余金を50,000円減額し(20×3年と20×4年の影響分)、売上原価を25,000円減額(20×5年の影響分)
⇒ 20×6年の期首剰余金を75,000円減額し(20×3年から20×5年の影響分)、売上原価を25,000円減額(20×6年の影響分)

ケース2:調査の結果、100,000円の影響のうち、20×6年については、25,000の修正が必要と分かったが、20×5年以前については、年度別の影響額の把握は実務上不可能だった。
⇒ 20×5年度については、修正できないので、その理由を開示(下記、10.23(d)を参照)
⇒ 20×6年の期首剰余金を75,000円減額し(20×3年から20×5年の影響分)、売上原価を25,000円減額(20×6年の影響分)

ケース3:調査の結果、100,000円の影響額全体について、年度別の影響額の把握は実務上不可能だった。
⇒ 20×5年度と20×6年度については、修正できないので、その理由を開示(下記、10.23(d)を参照)
⇒ 20×7年度の期首剰余金と棚卸資産を100,000円減額し、その理由を開示(下記、10.23(d)を参照)

過年度の誤謬の開示
10.23 企業は、過年度の誤謬について次の事項を開示しなければならない。
(a) 過年度の誤謬の内容
(b) 表示する過去の各年度において、影響を受ける財務諸表の各表示項目の修正額(実務上可能な範囲で)
(c) 表示する最も古い期間の期首における修正額(実務上可能な範囲で)
(d) 上記(b)又は(c)において開示すべき金額の算定が実務上不可能な場合は、その説明
その後の期間の財務諸表でこれらの開示を繰り返す必要はない。

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