会計上の見積りの変更 (IFRS-SME 10.15 – 10.18)

04.13

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10.15 会計上の見積りの変更とは、資産や負債の現状の評価、及び資産や負債に関連して予測される将来の便益及び義務を評価した結果生じる資産又は負債の帳簿価額又は資産の定期的な費消額の調整をいう。会計上の見積りの変更は新しい情報や新しい展開から生じるものであり、したがって誤謬の訂正ではない。会計上の見積りの変更と会計方針の変更との区別が困難な場合には、その変更は、会計上の見積りの変更として処理される。

<参考例>

1.製品の売上に対し、製品保証費用を見積もっている会社があって、今期(2015年度)の財務諸表の作成過程においては、10百万円と見積もっていたが、財務諸表作成の最終段階において、一部の製品について、隠れた欠陥が発覚し、保証費用は15百万円とした。 ⇒ これは、会計上の当初の見積もり額の決定の問題であり、見積方法の変更ではありません。

2.事実関係は上記1.と同じですが、隠れた欠陥が、翌年度に発覚し、15百万円を支払った場合。⇒ 追加費用たる5百万円は、会計上の見積もりの変更によるものです。

3.ある企業が、20×1年1月に船舶を10百万円で購入し、当初、減価償却を残存価額100千円、耐用年数30年の定額法で実施。ところが、20×9年になって、船舶業界についての綿密な調査をしたところ、残存価額はゼロで、耐用年数は、購入当初から20年程度が妥当である事が判別。償却方法は定額法のままでOK。⇒ 見積もりの変更に該当。

4.事実関係は、上記3.と同じですが、実は、当該調査は、独立した第3者によって20×5年に実施されていて、かつ、そうした業界情報は一般に公表されていました。会社としては、それを認識しつつも、20×9年度までは、経理処理の変更を留保していた場合。⇒ 20×9年度での経理処理の変更は、見積りの変更には該当せず、20×5年度に遡って、過年度の誤謬の訂正として処理する必要があります(影響度合いが重要であれば)。

5.会社が建物を、法人税法に従って25年間で償却していましたが、税法の変更により、20年償却が可能になったため、会社は、新ルールを適用し、見積りの変更として対応しました。⇒ 当該建物の耐用年数が25年で変わらないのであれば、20年償却に変更することはできません。また、通常、建物の耐用年数は25年よりもはるかに長いはずなので、もし、25年が妥当でなかったとしたならば、正しい償却期間に修正する必要があり、この場合の修正は、見積りの変更には該当せず、20×5年度に遡って、過年度の誤謬の訂正として処理する必要があります(影響度合いが重要であれば)。

10.16 企業は、10.17項が適用される変更以外の会計上の見積りの変更の影響を、以下の期間の純損益に含めることにより、将来に向かって認識しなければならない。
. (a) その変更の期間(その変更がその期だけに影響を与える場合)
. (b) その変更の期間及び将来の期間(その変更が両方に影響を与える場合)

10.17 会計上の見積りの変更が資産及び負債に変更を生じさせる場合、又は資本項目に関係する場合にはその範囲において、変更期において関係する資産、負債又は資本項目の帳簿価額を修正し当該変更を認識しなければならない。

<参考例>

受注システムの開発のため、ある業者に、50百万円支払いました。会社は、これをソフトウェアとして資産計上し、5年間で償却することに決めました。しかしながら、導入後、当該システムが、期待通りに機能せず、2年後には、汎用ソフトウェアを使用する事になりました。このため、会社は、当該ソフトウェアの導入当初から価値がなかったものとして、購入当初に遡って、過年度の誤謬の訂正として処理することにしました。 ⇒ この扱いは妥当ではありません。当初の2年間の償却は当初の見積もりに基づいて実施されたものであり、2年経過後に、将来の便益についての評価が変化したものと考え、見積りの変更として処理する必要があります。

過年度の誤謬の修正は、会計方針の選択時に利用可能だった情報を考慮しなかった事に起因する場合に発生するものであり、当初利用可能だった情報に基づいていた場合で、その状況が変化した場合には、見積りの変更になります。

見積りの変更の開示
10.18 企業は、すべての会計上の見積りの変更の内容と、その変更が当期中の資産、負債、収益及び費用に与える影響を開示しなければならない。将来の1つ又は複数の期間に係る変更の影響を見積ることが実務上可能な場合には、企業はそれらの見積りを開示しなければならない。

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