会計方針の選択及び適用 (IFRS-SME 10.2 – 10.6)

04.01

会計方針の選択及び適用 (IFRS-SME 10.2 – 10.6) はコメントを受け付けていません。

analysis64

10.2 会計方針とは、企業が財務諸表を作成表示するにあたって採用する特定の原則、 基礎、慣行、ルール及び実務をいう。

日本の企業会計原則においては、会計方針の定義を以下の様に定めています。

会計方針とは、企業が損益計算書及び貸借対照表の作成に当たって、その財政状態及び経営成績を正しく示すために採用した会計処理の原則及び手続並びに表示の方法をいう。代替的な会計基準が認められていない場合には、会計方針の注記を省略することができる。

表現の仕方は異なるものの、IFRS-SMEにおいても、日本基準においても、会計方針の意味するところに、大きな差異はないと思われます。ただし、それらの定義の仕方から読み取れる通り、日本基準の方は、やや画一的・平易なイメージを受けるのに対し、IFRS-SMEの方は、財務諸表の作成・表示における会計方針は、単なる原則のみならず、その企業の背後にある慣行やルール、そして、実務にも配慮した上で決定されるという、やや広範囲かつ柔軟なイメージを受けます。

そして、そうしたイメージは、日本基準においては、会計方針の注記を省略できる場合の取り決めがあったり、記載方法に雛形があったりと、最小限のものを出来るだけ他社と同じように開示する傾向があるのに対し、IFRS-SMEでは、企業は、実務上可能な限り、注記を体系的な方法で記載しなければならない(IFRS-SME 8.3)として、その表現方法において、各企業の判断に任されています。この点、日本の財務諸表の注記では、売上の認識基準が実現主義を満たしている限り、会社の最も重要な指標の一つである売上高について、一切のコメントもないケースがあるのに対し、IFRS-SMEの財務諸表では、売上高がどのような基準で認識・測定されているかが詳述されているケースがほとんです。

10.3 本基準が取引、その他の事象又は状況に具体的に当てはまる場合には、企業は本基準を適用しなければならない。しかしその影響に重要性がない場合には、企業は本基準の要求事項に従う必要はない。

IFRS-SMEに規定する取引等がある場合には、当該取引等は、IFRS-SMEに準拠して処理しなければなりませんが、たとえそうであっても、重要性がない場合には、IFRS-SMEに準拠しなくてもよいとされています。

ここで、重要性とは、IFRS-SME 3.16 に定められている通り、「ある項目の脱漏又は誤表示が、財務諸表を基礎として行う利用者の経済的意思決定に、個別に又は総体として影響を及ぼす場合には、重要性がある。」とされています。 そして、その重要性は、それを 取り巻く状況において判断される脱漏や誤表示の大きさや性質に依存し、当該項目の大きさや性質、又はその両方が重要性を判断する要因となり得るとされています。

従って、重要性がないと判断した場合には、当該情報については、要請されている開示事項を注記する必要もないですし、所定の会計方針にも従わなくてもよいという事を意味しています。

10.4 本基準が取引、その他の事象又は状況に具体的に当てはまらない場合、企業の経営者は、次のような情報をもたらす会計方針を策定し適用するよう判断しなけれ ばならない。
(a) 利用者の経済的意思決定のニーズに対する目的適合性がある。
(b) 財務諸表が次のようであるという点で信頼性がある。
.  (i) 企業の財政状態、財務業績及びキャッシュ・フローを忠実に表す。
.  (ii) 法的形式だけでなく取引その他の事象及び状況の経済的実質を反映 する。
.  (iii) 中立である、すなわち偏りがない。
.  (iv) 慎重である。
.  (v) すべての重要な点で完全である。

10.5 10.4 項に記載されている判断を行うにあたり、経営者は次に掲げる根拠資料を上から順に参照し、その適用可能性を検討しなければならない。
(a) 類似の事項や関連する事項を扱っている本基準の要求事項及び指針
(b) 第2章「概念及び全般的な原則」における資産、負債、収益及び費用に関 する定義、認識規準及び測定の考え方並びに全般的な原則

10.6 10.4 項に記載している判断を行うにあたり、経営者は、類似の事項や関連する事項を扱っている完全版 IFRSにおける要求事項及び指針を考慮することもできる。

ある取引の処理基準が、IFRS-SMEに定められていない場合には、上記の順番に従って判断する必要があります。

例えば、IFRS-SMEの第24章では、政府からの補助金についての基準が定められていますが、例えば、非政府機関から補助金を受けた場合には、直接の基準はないものの、第24章の規程(政府補助金)に準拠して会計処理・表示するのが妥当と考えられます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

コメントは利用できません。

ページ上部へ戻る