継続企業の前提 (IFRS-SME 3.8 – 3.9)

11.26

継続企業の前提 (IFRS-SME 3.8 – 3.9) はコメントを受け付けていません。

Folder-Info64

継続企業

 3.8 財務諸表を作成するに際して、本基準を使用する企業の経営者は、企業が継続企業として存続する能力があるかどうかを検討しなければならない。経営者に当該企業の清算若しくは営業停止の意図があるか、又はそうする以外に現実的な代替案がない場合を除き、当該企業は継続企業である。継続企業の前提が適切かどうかを検討する際に、経営者は、将来(少なくとも報告日から 12 か月は必要であるが、それに限定されない)に関するすべての入手可能な情報を検討しなければならない。

企業が、継続企業の前提を否定しなければならないのは、「経営者に当該企業の清算若しくは営業停止の意図があるか、又はそうする以外に現実的な代替案がない」場合の様に、限定的であります。よって、企業が財務的に困難な状況下にある場合でも、継続企業の前提は成立します。ただし、企業の継続能力についての重要な懸念を生じさせる様な事象や状況について、重要な不確実性がある場合には、そうした不確実性について、開示しなければなりません。

従って、その収益性や財務の健全性に全く問題がない場合や、逆に、清算が決まっているなどの様に、継続企業でないことが明らかである場合以外の際に、判断が重要となります。例えば、財務危機の場合などの様に、与信が十分に得られなくなる可能性がある場合には、特に注意が必要です。

継続企業の前提に立てない場合、資産には、もはや使用価値がありませんので、売却コスト控除後の公正価額まで減損させる必要があります。

 3.9 経営者が、この検討を行う際に、当該企業の継続企業としての存続能力に対して重要な疑義を生じさせる事象又は状況に関する重要な不確実性を発見した場合には、企業はその不確実性を開示しなければならない。企業が財務諸表を継続企業の前提で作成していない場合には、企業はその事実を財務諸表作成の基礎及び当該企業が継続企業とは認められない理由とともに開示しなければならない。

なお、IFRS-SMEにおいては、後発事象が企業の継続性に疑義を生じさせる場合の扱いにつぃては明示的に示されていません。完全版IFRSにおいては、翌期にそうした事象が発生した場合には、当期の財務諸表は、継続企業の前提に立ってはいけない旨が定められています(IAS#10、パラグラフ14)。

IFRS-SMEに明示規定がない場合、SMEには、完全版IFRSを調べる必要はありませんが、許容はされています。また、上記のSME3.8において、「経営者は、将来(少なくとも報告日から 12 か月は必要であるが、それに限定されない)に関するすべての入手可能な情報を検討しなければならない。」とされていますので、もし、重大な懸念が生じ、継続企業の前提が崩れる場合には、その様に対応が必要になります。

例えば、2014年12月決算の会社があって、2015年1月に大地震が発生し、当該企業の生産手段が破壊されたとします。この際に、他の代替資産の取得が事実上不可能な場合、経営者は、当該企業の解散を決意せざるを得ない場合があります。こうした場合には、2014年12月期の財務諸表は、継続企業の前提で作成できず、その事実を財務諸表作成の基礎及び当該企業が継続企業とは認められない理由とともに開示しなければならない事になります。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

コメントは利用できません。

ページ上部へ戻る