財務会計と管理会計の区別

11.12

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scorm64

財務会計が、一国ないしはグローバル・レベルでの一定の基準・制度に基づく財務報告の手段であるとすれば、管理会計は、個々の企業毎の基準に基づく経営管理報告の手段であると思います。ここで、経営管理報告には、財務報告は当然の事、財務以外の各種経営データの報告が含まれます。 逆に言うと、一口に財務報告と言っても、それが制度上の財務会計の事を示すのか、管理上の会計の事を示すのかで、示された数字の持つ意味が変わってくるという事です。

売上高を例にとると、財務会計上の売上高は、制度で定められた所定の基準を満たしたもののみがカウントされ、それは、当該企業内の過去の数字と比較可能なものでなければならないと同時に、他の企業、とりわけ、同業他社と比較可能なものであることが要求されます。他方、管理会計上の売上高は、当該企業内の基準に基づく数値であり、他の企業と比較可能である必要はありません。極端に言えば、営業マンの口頭による売上予測値を集計したものでもいい事になります。当該情報が、経営管理に役立つ、ないし、意味のある数値であることが前提であることは言うまでもありませんが。

また、表示上の面においても同様で、財務会計においては、報告の内容や様式が、ルールで定められているのに対して、管理会計上では、報告すべきものだけ、表示したいものだけを、集計できればよいということです。制度会計においては、売上高、売上総利益、営業利益、経常利益、当期純利益といった区分で開示する必要があるものの、管理会計においては、管理したい利益概念を個々に定め、それのみを集計表示できれば、目的は達成できると言えます。例としては、受注高やEBITDAなどです。

上記のような見方は、一般的なものであると思いますが、更に話を進めると、財務会計と管理会計のあり方について、よく議論される事があります。「財務会計と管理会計は、全く別物と捉えていいか(独立論)、あるいは、財務会計と管理会計の数字は調整可能であるべきであるという議論です(調整可能論)」 公認会計士や経理部の方々は、財務会計に深い理解があるため、どちらかというと、まずは財務会計の数字が最初にあり、そこから、所定の調整を加えて、管理会計上の数字を導き出すのが正論であると考えるパターンが多いのではないでしょうか? 他方、企業経営者は、財務会計の集計方法は知らないけれど、自社の成長度合や成果を知るには、所定の数値が集計されていればそれで十分であると考えるパターンも多いのではないでしょうか? (勿論、上場会社の経営者などは、財務会計上の数字を無視するわけにはいきませんが。)

これは、二者択一の問題ではないですよね。重要な事は、どちらの考えもある事を理解している事が重要ですね。2つの会計の目的や趣旨を理解しいることが大事ですね。たとえば、売上高。ある企業の経営者は自社の売上高を、受注高であると定義していて、その数字の趨勢を以って経営判断に役立てているものの、当該受注高が制度会計上の売上高とは整合していない場合、受注高で経営判断すること自体には、何ら問題はありませんが、仮に、制度上の売上高について、何の興味も示さず、まして、それを否定する事があるとすれば、資金繰り等、他の経営課題に直面すること間違いなしです。

ただ、ある経営指標があって、それが、諸々の財務数値の先行指標となっている様な場合、そうした指標を、経営経験を通して把握し、長年固持している経営者は素晴らしいなと思います。そした指標は、従業員にも、モチベーションを与えていますと思います。

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