財政状態の構成要素 (IFRS-SME 2.15-2.22)

10.29

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2.15 企業の財政状態は、財政状態計算書に表示される特定の日における資産、負債及び持分の関係である。これらは次のように定義される。

(a) 資産とは、過去の事象の結果として企業が支配し、かつ、将来の経済的便益が当該企業に流入すると期待される資源をいう。
(b) 負債とは、過去の事象から発生した企業の現在の債務で、その決済により、経済的便益を有する資源が当該企業から流出することが予想されるものをいう。
(c) 持分とは、企業のすべての負債を控除した後の資産に対する請求権である。

2.16 一部の項目は、資産又は負債の定義に合致するが、2.27 項から 2.32 項における 認識規準を満たさないために、財政状態計算書上の資産又は負債として認識され ない場合がある。特に、将来の経済的便益が企業に流入する、又は企業から流出することについての予想は、資産又は負債が認識される前に、蓋然性規準を満たすほどに十分に確実なものでなければならない。

財政状態計算書とは、いわゆる、貸借対照表のことで、そこには、資産、負債、そして、持分に分類されて表示されます。

IFRS-SMEsの個々のセクションで要求されている事項は、時に、上記に示された資産や負債の定義に合致しないものがあったり、持分の一部分として表示されないものがあったりするので、注意が必要です。同様に、上記の資産の定義に合致するものの、費用として認識することが求められるものがありますので(のれん以外の無形固定資産)、注意が必要です。

資産
2.17 資産の将来の経済的便益とは、企業への現金及び現金同等物の流入に直接的に又は間接的に貢献する潜在能力である。そのキャッシュ・フローは、資産の使用又は処分から生じ得る。

2.18 多くの資産、例えば、有形固定資産は、物的形態をとっている。しかし、物的形態は、資産の存在に不可欠なものではない。一部の資産は無形である。

2.19 資産の実在性の判断にあたって、所有権は絶対的なものではない。したがって、 例えば、リースによって保有する財産は、企業が当該財産から発生することが予想される便益を支配する場合には、資産となる。

資産の定義において、所有権が絶対条件ではない事は、重要です。所有権がなくても、保有する資産に付随するリスクと便益を支配するばあいには、資産計上されることになります。逆に、所有権があっても、リスクと便益を支配していないものは、資産計上されてはいけないという事になります。

負債
2.20 負債の基本的な特徴は、企業がある一定の方法で実行又は遂行する現在の債務を 負っていることである。債務は、法的債務と推定的債務のいずれの場合もある。 法的債務は、拘束的契約又は法的要請の結果として法的に強制されるものである。 推定的債務は、次のような企業の行動から発生した債務である。

(a) 確立されている過去の実務慣行、公表されている方針又は十分に具体的な 最近の声明によって、企業が外部者に対しある責務を受諾することを表明 しており、
(b) その結果、企業はこれらの責務を果たすであろうという妥当な期待を外部者の側に惹起している。

2.21 現在の債務の決済には、通常、現金の支払、その他の資産の移転、サービスの提供、ある債務から他の債務への交換、債務の持分への転換が含まれる。また債務は、債権者がその権利を放棄し、又は喪失するなどのその他の手段で消滅することもある。

重要なポイントは、負債は、現在の債務である事。よって、経理実務において、時々、例えば”General Reserve”と呼ばれるような、漠然と将来の損失に備えて負債を計上する場合があるが、こうした項目は、IFRSでは負債として計上が認められません。同様に、想定される将来の損失についても、負債を計上することは認められません(そうした損失がでそうな取引は中止できるからです)。ただし、そうした損失の兆候は、別の視点から考えると、資産が減損している可能性がありますので、その観点から、必要な処理が行われなければならないかもしれません。

もうひとつ重要なポイントは、推定的債務も含まれるという事です。賞与規程はない、あるいは、規程はあるけれども、「賞与は支払われる場合がある」という定め方の場合であっても、マネジメントの方針により、毎年、夏と冬に何らかのボーナスを必ず支給している様な会社がある場合、今年も今まで通り支払われるものと期待できる場合には、推定的債務があると考えられますので、注意が必要です。

持分
2.22 持分は、認識された資産から認識された負債を差し引いた残余である。資産は財政状態計算書において細分類されることがある。例えば、法人企業においては、 株主からの出資金、留保利益、及び持分に直接認識された利得又は損失が、細分 類されることがある。

上記により、連結上生ずる少数株主持分は、持分の部に計上されることになります。また、当該、少数株主持分を、親会社が買い取った場合、すべての処理が持分の区分で行われることになります。

例えば、現時点で少数株主持分が25,000円あって、これを、60,000円で購入した場合、以下のような仕訳になります。

  • Dr> 少数株主持分 25,000 Cr> 現金  60,000
  • Dr> 資本勘定   35,000
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