中小企業(SME)の定義 2(IFRS-SME 1.4-1.6)

10.15

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1.4 一部の企業は、企業の経営に参加しない依頼人、顧客又は会員から受託した財務資産を保有及び管理しているために、外部者の広範なグループの受託者として資産を保持する場合もある。しかし、それが主要事業に付随した理由で行われてい る場合(例えば、旅行又は不動産代理店、学校、慈善団体、組合加入金を求める協同組合、及び、公益事業会社のように財貨又はサービスの提供に先立って支払いを受ける売り手の場合)、これによって当該企業が公的説明責任を有することに はならない。

主要事業に付随する事例:

  • ある会社が、投資不動産を所有していて、テナントに賃貸する際に、所定の敷金・保証金(例えば、毎月の家賃の2か月分など)を要求し、退去時に、賃貸物件にダメージ等がなければそのまま返却される場合、そうした預託保証金があること自体を以って、公的説明責任があるとは言えません。
  • 旅行代理店が顧客から、旅行代金の例えば60%を申し込み時にデポジットとして要求し、残りの40%を出発の30日前までに払われる。そして当該デポジットは、所定の期日までのキャンセルの場合には全額返却され、そうでなければ返却されないような場合、そうしたデポジットがあること自体を以って、公的説明責任があるとは言えません。

主要事業に付随しない事例:

  • ある企業の主要事業はスーパーマーケット業であるが、当期から、その顧客から預金を預かり、その見返りとして、90日後に2%の利息を付して預金を返却するという事業を始めた。当期末における当該預金事業のの規模は、会社全体の資産。負債の1%未満で、当期利益も、全体の1%未満と僅少であった。この場合でも、この会社は、銀行業を営むものとして、公的説明責任がある事になります。よって、IFRS-SMEの適用は禁止されます。なお、この企業が所在する地域において、仮に、当該預金ビジネスが銀行業の規制を受けるものではないとしても、公的説明責任があるとされます。

1.5 公的説明責任のある企業が本基準を使用する場合、その財務諸表を「SME 基準」 に準拠していると記述してはならない。これは、当該法域の法律又は規制により、公的説明責任のある企業が本基準を使用することが許容されているか又は要求されている場合でも同様である。

要は、IFRSの枠組みにおいては、銀行業を営んでいたり、当該企業の株式や債券が上場されていたり、上場過程にある場合の様に(IFRS-SME 1.3を参照)、公的説明責任がある企業は、完全版IFRSを適用しなければならず、たとえ、ローカルの基準で、IFRS-SMEの適用を認めていたとしても、それはあくまでも、ローカルの基準を満たしているだけであり、「SME 基準」に準拠している事にはならないという事です。

1.6 親会社が完全版 IFRS を使用する子会社、又は親会社が完全版 IFRS を使用する 連結企業集団に属している子会社については、当該子会社自体が公的説明責任を有している場合を除き、自社の財務諸表に本基準を使用することを妨げない。財務諸表が「SME 基準」に準拠していると記載する場合は、本基準のすべての条項に従わなければならない。

ここでのポイント:

  • IFRS-SMEを適用できるかどうかの判断は、親会社のステータスや所属するグループのステータスに関わらず、個々の企業ごとに実施される事。
  • IFRS-SMEを適用する以上は、そこに規定されている会計方針(認識、測定、開示)の基準すべてに準拠しなければならず、部分的に適用することは不可である事。
  • 完全版IFRSを採用する親会社と、IFRS-SMEを適用する子会社とで、双方方で会計方針の選択が許容されているケースがあるので、なるべく差異がなくなる様に工夫する事が奨励されている事。
  • なお、2009年7月9日現在において、完全版IFRSとSME基準との間に相違がある主要な項目は以下の通りとの事です。
  1. 売却目的で保有する固定資産
  2. 確定給付制度における過去勤務費用の認識方法
  3. 連結財務諸表上における海外事業投資に対する為替差損益
  4. 借入コストの処理
  5. 公表価格のある関連会社への投資の評価
  6. 公表価格のあるジョイントベンチャーへの投資の評価
  7. 公正価値が信頼性をもって測定できる投資不動産の評価
  8. 生物資産
  9. 税金費用
  10. 現金又は資本性金融商品の発行で決済するかの選択権がある株式報酬取引

 

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